なぜ知的資産経営なのか
知的資産経営がどういうものかを知っていただく前に、当事務所がなぜ知的資産経営という支援手法を用いているのかについて触れようと思います。
まず、こんな質問をしてみましょう。
- あなたの会社(事業でもいいですよ)の「売り」って何ですか?
- 他にはない「強み」って何ですか?
すらすらと答えることができるでしょうか。考え込んでしまうでしょうか。はたまた「ウチには独自の売りも強みもない」となるでしょうか。これは何も経営者の方だけの問いではありません。役員や従業員の方も、自身の会社について売りや強みを思い描くことができるでしょうか。
とはいえ、ただ単に「売り」とか「強み」と言われても、漠然すぎる質問ですから答えるのにも困ってしまいますよね。SWOT分析表を前にしてとりあえず項目を埋めてみたものの、「強み」の欄が例題に挙げられてるものと大して変わらないという経験がある経営者もおられるかもしれません。
ここで少し視点を変えて考えてみましょう。
経営を続けていくうえで何よりも必要なのは利益です。利益を得なければ経営は成り立ちません。では、その利益を生み出しているものは何でしょうか。もちろん、あなたが提供する商品やサービスですね。それではさらに、その商品やサービスはどのように生み出されているのでしょう。また、なぜその商品やサービスが利益をもたらすのでしょう。そうやって、あなたの経営によって商品やサービスが生み出される過程のなかに何があるのか考えてみたことはあるでしょうか。
こんなふうに、とある経営が利益を生み出す裏側を掘り下げながら、実はこの裏側にあるものこそが「売り」であり「強み」であることに気付いてもらう。そのうえで改めて経営を推し進めて更なる利益を生み出してもらう。これが、知的資産経営の目的であると言えます。
知的資産経営では、その会社の根幹とも基盤ともいうべきものを探っていきます。この根幹や基盤を把握しているからこその、具体的な経営計画であり様々な経営手法であり事業承継ではないでしょうか。経営者の方々には少しでも長く続く会社や事業を築いてほしい。そのために必要なものが知的資産経営だと私は考えています。
それでは、次回からは知的資産経営の中身を探っていきましょう。